コーヒーシュガーと夜空

夕方5時過ぎにもなって、髪を切りに出かけた。日曜を何もせずに過ごす午前の優越感は、午後に何もしなかったという罪悪感へ変わる。シャンプー台でゆっくりと横になるときに見えた夕焼けはこんがりとしていて、赤いというよりはコーヒーシュガーの色に近かった。

 

コーヒーシュガーが溶けると、夜がやってくる。

 

横になったまま、ぼんやりとそんなことを考えていた。

 

髪を切り終えた頃、外はすっかり暗くなっていた。夜空に残る明るさのまばらなコーヒーシュガーのかけらが、少しばかりの香ばしい風を漂わせるから、僕は尚更甘いようで苦い休日を味わった。