悲しいことなんてないさ

悲しいことなんてないさ
僕が住むこのビルは
雨雲の色を吸い過ぎて
すっかり湿っぽくなってしまったけど
君が住むあの家は
海の色を反射して
いつだって青く煌めいてる

 

目に浮かぶのは
空との境界線がない
あの青い家
ある日は空となり
ある日は海となる
僕らは鳥たちを迎え入れ
魚たちとたゆたう

 

わけあって今はそこへ戻れないけど
雲の隙間から見える青い空が
僕を呼び止めて
君の元気な様子を教えてくれる

 

悲しいことなんてないさ